ストレスチェックのOEM・ホワイトラベルとは
「OEM」「ホワイトラベル」「代理販売」は、言葉の使い分けが曖昧なまま並走しがちです。何がどう違い、自社ブランドでどこまで表示できるのかを先に整理します。
受検者や顧客企業が見る画面はすべてパートナー事業者のブランドで表示され、提供元の名前が表に出ることはありません。
OEM・ホワイトラベル・代理販売の違い
- OEM
- 提供元が開発したシステムを、自社のサービス名・自社のロゴ・自社の請求体系で顧客に届ける契約形態です。提供元の名称は顧客側からは見えないか、限定的にしか見えない設計になります。
- ホワイトラベル
- OEM とほぼ同じ意味で使われます。提供元のブランドを伏せ、顧客が目にするもの(ロゴ・色・ドメイン・メールの差出人)を完全に自社のものとして提供できるシステムを指します。
- 代理販売(リセール)
- 提供元のブランドのまま、自社が販売チャネルとなって顧客に届ける形態です。顧客にはシステム提供元の名称が表に出ます。契約は比較的シンプルですが、自社ブランドの蓄積はしづらくなります。
ストレスチェックで OEM・ホワイトラベル提供を検討する事業者の多くは、顧問契約に乗せる継続収益にしたいという意図を持っています。そのため、自社ブランドを蓄積できる OEM・ホワイトラベルが本命になります。
自社ブランドで表示される範囲
- ロゴ・サービス名・favicon を、パートナー事業者のものに設定できます。
- 受検者が見る画面は、すべてパートナー事業者のブランドで表示されます。
- 通知メールの差出人も、パートナー事業者のものに切り替えられます。
- 顧客企業の管理者が使う画面も、同じブランドで統一されます。
提供元の名前が表に出ることはありません。顧客企業から見れば、パートナー事業者が提供しているサービスそのものです。
なぜ今、OEM提供を検討する事業者が増えているのか
2025年5月14日に公布された労働安全衛生法の改正により、これまで努力義務だった50人未満の事業場にも、ストレスチェックの実施が義務づけられます。施行日は2028年4月1日です。
- 顧問先が一斉に動く
- 社労士事務所・産業医紹介会社など、顧問先を抱える事業者には、小規模な顧客から「対応をどうすればよいか」の相談が同時に発生します。
- 「実施はできるがシステムがない」という詰まり
- 実施者(医師・保健師など)の手配は人脈や提携で解けますが、名簿管理・受検案内・結果通知を回す仕組みを自前で作るのは重すぎます。
- 商機の窓は施行前後の数年
- 義務化への対応が一巡すると、需要は乗り換えが中心になり、新規開拓の余地は縮みます。
業種ごとの提供パターン
| 業種 | 顧客接点の起点 | OEM提供でできること |
|---|---|---|
| EAP事業者・メンタルヘルス相談窓口 | 従業員向けの相談チャネル | 高ストレス者の抽出から面談予約・記録・意見書の作成までを1画面にまとめる。集団分析をコンサル・研修の根拠にする。 |
| 産業医紹介会社・クリニック | 顧問先企業の産業保健業務 | 顧問先すべてのストレスチェック運用を一画面で巡回する。健診メニューと合わせて提供する。 |
| 社労士事務所 | 顧問契約・労務手続き | 義務化への対応を顧問契約に上乗せする。実施事務・受検勧奨・労働基準監督署への報告まで引き受ける。 |
| 健診機関 | 定期健康診断のワークフロー | 健診受診のタイミングでストレスチェックも実施する。結果の集計から医師面接の予約までを健診の流れに組み込む。 |
| 保険会社・福利厚生事業者 | 既存契約者への付帯サービス | 契約更改のタイミングで付帯サービスとして提案し、既存の顧客基盤に広げる。 |
| 健康保険組合 | 加入企業への保健事業 | 加入企業向けの付帯サービスとして提供し、産業保健の課題解決と保険者側の収益を両立させる。 |
| フランチャイズ本部 | 直営店・加盟店への統一運用 | 直営店と加盟店で異なる実施義務を、ひとつの導入フローに乗せる。加盟店支援メニューにする。 |
| 人材派遣会社 | 派遣元としての実施義務 | 派遣元が負う実施義務を軸に運用を引き受けつつ、派遣先企業への提案チャネルとしても使う。 |
| 訪問看護・在宅ケア事業者 | 孤立しやすい訪問スタッフの産業保健 | スタッフ自身のセルフケアとサービス展開を、同じ仕組みで両立させる。 |
共通しているのは、すでに顧客接点を持つ事業者が、その接点に自社ブランドのストレスチェックを乗せるという構図です。実施体制(医師・保健師・心理職)をお持ちなら、システムを自社ブランドで使えるようにするだけで、開発投資なしに継続商材を立ち上げられます。
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主要な3業種について、もう少し詳しく
上の表のうち、相談をいただくことが多い3つの業種について、強みと詰まりやすい点を書きます。
- 健診機関
- 実施者になれる保健師・看護師・医師が在籍していることが多く、資格の面で追加の手当てが要りません。定期健康診断を受託している企業がそのまま見込み先になり、年1回の健診に合わせて提案できます。「健康」を扱う事業者であること自体が信頼として効きます。詰まりやすいのは、健診の繁忙期と受検期間が重なったときの運用です。実施をまとめて作成する機能と横断のカレンダーで捌けるようにしています。
- EAP事業者
- 精神保健福祉士・公認心理師・産業医が在籍していることが多く、実施者の要件を満たせます。強いのは高ストレス者が出たあとで、面接指導からカウンセリングまで自社で続けられます。ストレスチェックを入口にして、本業の相談業務につなげられる形です。集団分析の結果は、職場改善の提案の根拠に使えます。
- 社労士事務所
- 顧問契約という継続の関係を既に持っているのが強みです。一方で、社会保険労務士は実施者になれません(実施者は医師・保健師と、研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師の6職種)。ですから実施者の確保が最初の論点になります。産業医・保健師との提携で確保するのが一般的で、WellMil はその手配を回す仕組みを提供します(有資格者そのものをこちらが用意するわけではありません)。実施事務の調整・報告書作成の支援は社労士の業務範囲です。
独自の設問・独自の調査票をどこまで作れるか
法定の様式に沿うことと、パートナー事業者の色を出せないことは別です。3段階あります。
- 標準の調査票に設問を足す法定の様式はそのままに、顧客企業ごとに独自の設問を追加できます。設定で有効にするだけで、開発は不要です。
- 業種別の設問を使う建設・製造・医療など、業種ごとに用意した設問のプリセットから選べます。
- 調査票そのものを独自のものにする設問・採点の方法・結果画面・帳票(個人票・一括出力)・集団分析・CSVの項目まで、一式を独自のものに差し替えられます。パートナー事業者専用の調査票を1つの製品として持てます。
3番目は開発を伴うため、別途のお見積りになります。実際に、独自の調査票・独自の採点・独自の帳票を一式そろえた事例があります。
なお、独自の設問や独自の調査票を足しても、法定の様式に基づく実施そのものは標準のまま動きます。法令対応と独自性は両立します。
関連: 料金と、開発を伴う場合の考え方
パートナー事業者のための機能
顧客企業が使う画面とは別に、パートナー事業者が「複数の顧客企業をまとめて回す」ための画面があります。1社ずつ入り直す前提の仕組みとは、ここが決定的に違います。
- 運用センター: 担当するすべての顧客企業の進み具合を1画面で横串に見られます。要対応のしきい値は実施ごとに設定できます。
- 実施者・面接指導医の手配: 法令の要件に沿って実施者を手配できます。打診から承諾までの流れ、おすすめの割り当ての提案と一括確定にも対応しています。
- 面接指導の申出を1画面で受ける: 担当するすべての顧客企業から挙がってきた申出を、ひとつの受付箱で処理できます。
- 一括での実施作成と年度の繰り越し: 複数の顧客企業に対して実施をまとめて作成できます。前年度の設定を一括で複製して次年度に引き継げます。
- 標準の運用パッケージ: 実施の初期設定を、パートナー事業者の既定として揃えられます。顧客企業ごとに毎回決め直す必要がありません。
- 受検勧奨の自動化: 未受検者への案内を、日程・既定の設定・段階的な引き上げの3通りで自動化できます。
- 名簿の差分取り込み: CSVを取り込むと、退職者を自動で検出します。名簿の突合を手でやる必要がありません。
- 健康相談の横断受付: パートナー事業者の産業医・心理職が、担当するすべての顧客企業の相談を1画面で受けられます。
- 年間の受検人数の管理: 契約上の上限に対する消費状況を数え、上限に近づいたら通知します。
上記はいずれも提供中の機能です。下は実際の画面です(デモ用のデータで表示しています)。
よくある質問
「自社ブランドで提供できる」とありますが、本当に提供元の名前は出ませんか。
出ません。ロゴ・サービス名・favicon をパートナー事業者のものに設定でき、受検者や顧客企業が見る画面はすべてパートナー事業者のブランドで表示されます。
代理販売とは何が違うのですか。
代理販売は提供元のブランドのまま販売する形態で、顧客には提供元の名称が表に出ます。OEM・ホワイトラベルは自社ブランドで提供できるため、顧客との関係が自社に蓄積します。
自社に開発の体制がなくても始められますか。
はい。システムの開発・運用・法改正への追随は WellMil が担います。パートナー事業者に必要なのは、実施体制と顧客接点です。
WellMil