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ストレスチェック結果通知書の書き方と記載例|実施者から労働者へ正しく通知するための実務ガイド

|ストレスチェック

この記事でわかること
  • ストレスチェック結果通知の法的根拠と実施者の役割
  • 結果通知書に必要な記載事項とテンプレートのポイント
  • 高ストレス者への面談案内文の書き方
  • 通知書を事業者が先に確認することの問題点
  • 電子通知(メール・システム内通知)の注意点

ストレスチェック結果通知とは?法的根拠を確認する

ストレスチェックの結果は、実施者から労働者本人に通知される仕組みになっています。実施者(医師・保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師)はストレスチェックを実施した場合、その結果を遅滞なく労働者に通知しなければなりません(労働安全衛生法第66条の10第2項、同規則第52条の12)。

この「直接通知」のルールには重要な意味があります。ストレスチェックの結果は個人の健康情報であり、本人の同意なしに事業者(会社)へ提供することは法令上禁止されています(労働安全衛生法第66条の10 第2項)。よくある間違いとして、「人事担当者が先に結果を確認してから本人に渡す」というケースがありますが、これは制度の趣旨に反します。

結果通知の流れは「実施者 → 労働者本人」が先です。事業者(会社)が結果を受け取るのは、本人が「事業者への提供に同意する」旨を申し出た後です。この順序を守ることが、制度への信頼を高め、従業員の受検率向上にもつながります。

結果通知書の主な記載事項

結果通知書に記載する事項は、通達で必須とされる事項と、指針で記載が望ましいとされる事項に分かれます。

必ず記載する事項(通達)

  • 個人のストレスプロフィール(仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートの3領域それぞれの点数を含む。レーダーチャート等でわかりやすく示すことが推奨される)
  • 高ストレスに該当するかどうか
  • 面接指導の要否

あわせて記載することが望ましい事項

  • セルフケアに関する助言・指導
  • 面接指導の申出窓口と申出方法(面接指導が必要と判定された場合)
  • 相談窓口に関する情報
  • 調査票の名称(職業性ストレス簡易調査票57項目など)
  • 実施者の氏名・連絡先

結果通知書の記載例とテンプレートのポイント

通知書の基本構成

以下の構成で作成すると、法令の趣旨に沿いながら従業員が読みやすい通知書になります。

項目記載内容の例
宛先○○様(従業員氏名)
実施者名ストレスチェック実施者 △△(医師・保健師等の氏名)
実施日令和○年○月○日
評価結果あなたのストレスの程度は「高ストレス」と判定されました
素点情報仕事のストレス要因:○点、心身のストレス反応:○点、周囲のサポート:○点
案内事項面接指導の申出方法、セルフケア情報、相談窓口

高ストレス者への通知書(面談案内付き)

高ストレスと判定された従業員には、面接指導の申出を促す案内を必ず含めます。以下は案内文の記載例です。

(案内文の例)
「あなたは今回のストレスチェックで高ストレス者と判定されました。医師による面接指導を受けることを検討してください。面接指導を希望する場合は、○月○日までに以下の申出先にご連絡ください。面接の内容や結果は、あなたの同意なしに事業者に伝えられることはありません。」

この案内文では以下の点を必ず盛り込みます。

  • 高ストレス者に該当したことの明確な記載
  • 面接指導の申出先・連絡方法・申出期限
  • 面接結果が本人同意なしに事業者に伝わらない旨の説明(プライバシー保護)

電子通知(メール・システム内通知)を使う場合の注意点

ストレスチェックの結果通知は書面のみに限らず、メールやシステム内通知(電子通知)でも可能です。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • メールアドレスの管理:労働者個人がアクセスできるアドレスに送ることが原則。会社のグループメール等への送信は避ける
  • メールの誤送信対策:ストレスチェック結果は機微な個人情報。送信先の二重確認や暗号化添付ファイルの活用を検討する
  • システム内通知のアクセス管理:ストレスチェックシステムのアクセス権を本人のみに設定し、管理者が個人結果を容易に閲覧できる状態にしない
  • 通知到達の確認:電子通知は本人への到達確認が難しいため、既読確認機能付きのシステム利用や、未確認者へのフォローアップ手順を定めておく

通知書の保管

ストレスチェックの個人結果については、実施者が記録を作成し保存することが望ましいとされています(厚生労働省の実施マニュアルでは5年間の保存が推奨されています)。事業者が保存する場合は本人の同意が必要です。

保管に関する詳細は ストレスチェック結果の保管義務と管理方法 をあわせてご参照ください。

よくある間違いと注意点

間違い1:事業者が先に結果を確認する

結果を実施者から事業者に先に送り、事業者が確認してから本人への通知を行うケースは制度の趣旨に反します。結果は実施者から本人への通知が先です。

間違い2:通知内容を省略・画一化する

「高ストレスでも低ストレスでも同じ通知文を送る」ケースは推奨されません。特に高ストレス者には、面接指導の申出先や申出手順を明示した個別の通知が必要です。

間違い3:集団分析結果を個人通知に混同する

部署別の集団分析結果は個人への通知とは別物です。個人通知には本人の結果のみを記載し、他者や部署の情報は含めません。

通知後のフォローアップ体制

結果通知は「送って終わり」ではありません。以下のフォローアップ体制を整えることで、制度の実効性が高まります。

  • 面接申出期限のリマインド:高ストレス者への面接申出期限を明示し、期限が近づいたら再通知する
  • 相談窓口の周知:高ストレス判定でなくても相談できるEAP・産業カウンセラー等の窓口を案内する

関連する実務については以下の記事もご覧ください。

ストレスチェックの通知書は「法的な書類」ですが、従業員にとっては「自分の職場環境を見直すきっかけ」になるものです。高ストレス判定の案内文は、「問題があった」という否定的な印象より「サポートが受けられる」というポジティブな表現を心がけることが大切です。

よくある質問

ストレスチェックの結果通知書は誰が誰に送るのですか?

実施者(医師・保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師)が労働者本人に通知します。事業者(会社の人事・上司)が先に結果を確認することは、本人の同意がない限り制度の趣旨に反します(労働安全衛生法第66条の10第2項)。

高ストレス者への通知書と通常の通知書は内容が異なりますか?

異なります。高ストレス者には、面接指導の申出先・申出方法・申出期限・プライバシー保護に関する説明を明示した案内を含める必要があります。通常の通知書と同一フォーマットで済ませることは推奨されません。

結果通知書はメールで送っても問題ありませんか?

メールでの通知は認められています。ただし、本人のみがアクセスできるアドレスへの送信、誤送信対策(送信前の確認、暗号化添付ファイル等)、通知到達確認の仕組みを整えた上で実施することが重要です。

通知書に決まったフォーマット(様式)はありますか?

法令で特定の様式(書式)は定められていませんが、通達で「個人のストレスプロフィール(3領域それぞれの点数を含む)」「高ストレスに該当するかどうか」「面接指導の要否」の3つは必須とされています。面接指導の申出窓口・申出方法やセルフケアの助言は、指針で記載が望ましいとされる事項です。厚生労働省の「ストレスチェック制度実施マニュアル」に参考例が掲載されています。

結果通知書の保管期間はどのくらいですか?

厚生労働省の実施マニュアルでは、実施者が5年間保存することが推奨されています。事業者が保存する場合は本人の同意が必要です。電子データでの保存も可能ですが、アクセス制限など安全な管理が必要です。